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EMC設計から見た部品配置・プリント配線
概要

部品配置

  1. 通常プリント基板はPCB単体で高周波電磁界中にさらされる事はなく、電磁シールド構造の筐体中に置かれます。電磁シールドの考え方と効果が正しければ、EMCの伝播経路は通常コネクタ等の外部インターフェース部経由です。

  2. コネクタの構造を見ると、通常PCBよりの信号線・電源線・GND線が端子によって一度空中に飛び出しています。この部分は特性インピーダンスが高く特にPCB内部に結合し易い部分です。コネクタの使用が構造上避けられないのであれば貫通型コンデンサ内蔵のコネクターの使用を薦めますが、非常に高価です。

  3. 従って、PCB内部の高インピーダンスを呈しアンテナに為りうる部品との配置を工夫し結合を防がなければなりません。

  4. CPUチップ等のICは、チップそのものの内部配線から電磁エネエルギーを放射します。チップ自体の電磁シールドも効果的でしょうが、まず遠ざける事が先決です。

配線

  1. 配線はPCB内部の各部品・回路構造の<電気的結合>を最小にするという考え方で設計します。基本的にはなるべく短くという考えで行いますが、むしろ前述のアンテナになり易い部品配置を最適化する方を優先する方が効果が上がる場合もあります。

  2. 配線間の結合を最小にするためには、互いに直交させるか又はなるべく間隔を大きくする必要があります。

具体的考え方

部品配置

  1. コネクターの端子を中心に部品配置を行います。

  2. トランス・リレー・電解コンデンサー等背の高い部品は,なるべくコネクターから距離を置いて配置します。

  3. 距離が取れない場合はシールド板を追加するか、もしくは同等の構造になる様工夫します。

  4. CPUチップはチップそのものの配線が輻射源となるので、なるべく距離を置いた方が良いでしょう。


配線

  1. 配線は、太く・短く(特性インピーダンスを下げる)という考え方で行います。

  2. 配線間の結合を最小にする必要がある配線間は、なるべく距離を置くかパターンを直交させた方が良いでしょう。
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