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通信距離


マイクロ波IDカードシステムの特長の一つに比較的長距離通信が長い点があります。リード時の概略の回線設計結果を次に示します。

通信距離試算のパラメータ



Ptx
Gtx1
Grx1
Prx
NF
B
Nr
Grx2
Gtx2
Lmod
L
:質問器の送信出力
:質問器の送信アンテナ利得
:質問器の受信アンテナ利得
:質問器の受信電力
:質問器の受信入力雑音指数
:質問器の受信帯域幅
:質問器の受信雑音電力
:カードの受信アンテナ利得
:カードの送信アンテナ利得
:カードの変調損失
:自由空間伝播損失
:質問器とカード間の距離
(dBm)
(dBi)
(dBi)
(dBm)
(dB)
(Hz)
(dBm)
(dBi)
(dBi)
(dB)
(dB)
(m)

受信電力試算

PTx=25dBm
Gtx1=Grx1=10dBi
Grx2=Gtx2=5dBi
Lmod=15dB

と仮定すると

Prx=Ptx+Gtx1+Grx2+Gtx2+Grx1-2L-Lmod (dBm)

受信雑音電力試算

Nr=kTB

k:ボルツマン定数[1.38E-23(W/K・Hz)]
T:等価雑音温度(K)

T=Ta+T0(NF-1)
Ta:アンテナ雑音温度(K)
T0:周囲温度(K)

Ta=T0=290K
NF=3dB
B=1MHz

と仮定すると

NR=-111dBm

上記条件における距離−受信電力グラフ



グラフから判るように、パラメータを概略設定してやると、反射の少ない開けた空間で数十メートル、反射によるフェージングマージンを20dBとっても5〜7m程度の通信距離が得られます。
この試算結果は質問器・カードアンテナの輻射指向性の最大点どうし向かい合った結果ですので、実際の使用状態での動作範囲の決定にはアンテナ輻射パターンの検討が必要になります。また同一の動作範囲に複数のカードが存在する場合通信手順が面倒なことから、使用形態に応じて送信電力等を加減して動作範囲を制限する場合もあります。
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